makotan _at_ gmail dot com

安定したSI生態系

これまで見てきたいろんな物をまとめるとこういう感じ


可能な限りリスクを取りたくないけど、安く発注したい発注元
コストを安くしたい元請けの経営者
人を抱えて人月いくらで売る下請けの経営者
言われたことを淡々とこなしていくサラリーマンエンジニア
淡々とこなせない似非サラリーマンエンジニア


発注元にはシステム開発にも予算があるので、当然ながら予算を超えるような結果になるのが困る
そこで機能と値段を固定したくなる


元請けは出来る限りやすく受注した方が受注率が上がるので、可能な限りコストを下げようとする
短絡的にコストを下げるには、オフショアへの発注とか、下請けを買い叩くとか


下請けとしては人を抱えているので、稼働率こそが重要なポイントになる
稼働率がある一定水準を下回ると給料が出せなくなる
そこで、どれだけ元請けと仲良くするか、どれだけ給料を押さえ込むかが大事
とはいえ、買い叩かれる運命なのには変わりない


サラリーマンとしては会社に居て給料をもらうことが大事
なので、ひたすら淡々と仕事をこなす。自分の給料が確保できているなら特に問題ない
技術力があったところで給料に反映されない(発注元から下請けまで誰も技術を見てないから)ので技術力向上には興味ない


エンジニアはこの流れの中で最もストレスをためる立場にいる
誰も低コスト化を頑張ることもしないし、自ら技術力を上げても会社が積極的にその技術を使う事も無い
時々幸運に恵まれて自分がやりたいタイプの仕事を営業が取ってきて嬉しくなる


困ったことにこれでSIの生態系が安定しているので、ここから抜け出す会社と抜け出せるエンジニアは滅多に無かった・・・2000年までは


2000年を過ぎた頃、Webでサービスを提供する専門の会社が生まれ始める
そこには発注元も元請けも下請けもいないというエンジニアにとってのブルーオーシャンが広がっていた
ということでSIの生態系に嫌気のさしたエンジニアが積極的に移動を開始することになったのが2010年前後
とはいえ、既に発注元とか下請けとか普通に出来てくるようになってるけど、それは目的が違うしWebの世界は技術革新のスピードが速いので技術力向上は重要なポイントとして扱われる


SIの生態系を壊す様な試みは今のところ誰も成功してない気がする
ということで、SIの生態系から抜け出したければ実質的に別の業界へ行くしか無いとおもうな〜